北海道帯広市には、地元の人々から愛され、観光客をも魅了する特別なグルメがあります。それが「豚丼」です。シンプルでありながら奥深い味わいのこの料理は、十勝地方を代表するソウルフードとして確固たる地位を築いています。
豚丼の誕生と特徴
豚丼は1933年（昭和8年）に帯広市で誕生しました。うな丼の甘辛いタレをヒントに考案されたこの料理は、北海道有数の豚の産地である帯広ならではの郷土料理です。
豚丼の魅力は何と言ってもそのシンプルさにあります。
- 箸で切れるほどやわらかい豚肉
- 醤油ベースの甘辛いタレ
- 余計な食材を載せない潔いスタイル
- 温かいご飯の上に豚肉をのせるだけのシンプルな構成
地元では「豚丼」または「ぶた丼」と呼ばれ、「とんどん」とは呼ばないのが特徴です。帯広市内には200軒以上の豚丼を提供する店舗があり、それぞれが独自の味わいを競い合っています。
人気の豚丼専門店
豚丼一番帯広総本店
オリジナルタレに漬け込み、真空で低温熟成させた豚肉を炭火で炙るという独自の調理法が特徴です。ロース豚丼（980円）やバラ豚丼（990円）が人気メニュー。鰹と昆布のダシをかけて豚丼茶漬けとしても楽しめます。
はなとかち
北海道産豚肉と無添加の自家製タレにこだわりを持つ店舗です。ロースとバラ肉が両方味わえる「半ばら豚丼 中盛」（1500円）がおすすめ。タレには日本酒とはちみつをたっぷり使用しており、深みのある味わいが特徴です。
ときめき豚丼
家庭的な温かさを感じる豚丼が魅力で、甘くて濃いめのタレが特徴です。サイズは「こども（小）」から「Boss（特）」まで様々。タレが多めでご飯がつゆだくになるため、とろろも付いてくるという心遣いも嬉しいポイントです。
その他にも「ぶた丼のとん田」「ぱんちょう」「はげ天 本店」など、各店舗がそれぞれの個性を活かした豚丼を提供しています。帯広の歯医者さんであるブラン歯科医院帯広の近くにも美味しい豚丼のお店がいくつかあり、治療の前後に立ち寄る地元の方も多いようです。
全国的な人気の広がり
近年、帯広の豚丼は全国的にも注目されています：
- 日本ハムが「帯広豚丼の具」を発売し、発売からわずか5カ月で15万食以上を販売
- ドン・キホーテが全国の店舗で「帯広豚丼」を期間限定で提供
- ドミノ・ピザが北海道限定で「帯広豚丼風ピザ」を販売
- 「元祖豚丼屋TONTON」が全国で50店舗を展開
帯広を訪れたら
帯広を訪れた際は、各店舗の個性的な豚丼を食べ比べてみるのもおすすめです。朝から営業している店舗も多く、一日の始まりに豚丼を食べるという贅沢な体験ができます。十勝平野の雄大な自然と豊かな食文化を生かした豚丼は、単なる料理を超えた帯広の誇りとして今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。
